まっつんのひとり言

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NHK杯将棋準決勝第1局(第67回) 豊島八段vs稲葉九段。棋譜+解説

本日(2018/3/4)行われた第67回NHK杯テレビ将棋トーナメント準決勝第1局。早速、激指14で棋譜を解析&ミニ解説しましたのでご覧いただければ幸いです。

<目次>

まえがき

今回の対戦カードは、

豊島将之八段

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VS

稲葉陽八段

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の一戦です。

お互い20代、関西の棋士同士ですね。

豊島八段の特徴は何と言っても「序盤・中盤・終盤・隙がない」という有名な話がありますね。それと研究熱心で序盤はどんどん指していく感じです。

 

一方の稲葉八段ですが、こちらは鋭い攻め+中盤のねじり合いに強く、攻め込まれた時の粘りも強い印象です。前回の渡辺棋王との一戦の見事な差し回しも記憶に新しいところです。以下がその記事です。ご参考までに。

それから稲葉八段は今回のNHK杯では後手番が多いので相手から先行される将棋が多いのですが、うまく反撃をしていてすごいと思います(前局は先手番でしたが)。さて、今回はどちらが勝つのか?!

 (先手)豊島八段vs(後手)稲葉八段 棋譜(ミニ解説+Youtube動画)。受けの妙手、5四歩!

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稲葉八段(右)、盤から遠いですねぇ~。

<棋譜>

▲7六歩△3四歩
▲2六歩△4四歩
▲2五歩△3三角
▲4八銀△3二銀
▲5八金右△4三銀
▲6八玉△8四歩
▲3六歩△3二金
▲3七銀△5二金
▲4六銀△8五歩
▲7七角△6二銀
▲7八銀△7四歩
▲3五歩

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先手が早くも仕掛けたところ。後手、ここで同歩と応じてはいけない。同歩、同銀は棒銀と同じく2筋を突破されてしまう。
△7五歩
▲同 歩△4五歩
▲同 銀△3五歩
▲2六飛

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後手が7五歩から4五歩の「突き違いの歩」から3五歩と取り返したのに対し、先手の飛車が浮いたところ。これによって後手からの7六歩などを警戒している。
△7三銀
▲3四歩△7七角成
▲同 銀△5五角

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この手は1九の香車取りと共に、8八歩⇒同銀⇒同角成の2つの狙いがある。油断のならない手だ。これに対して先手3七角と打つのは、同角成、同桂馬で再び5五角と打たれてしまう。先手は桂馬が跳ねても次に飛ぶことが出来ず、面白くないところ。
▲6六角△同 角
▲同 歩△8六歩
▲同 歩△7六歩
▲8八銀△8六飛
▲8七歩△8五飛

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先手が6六角と合わせ、同角、同歩に後手は8六歩と合わせた。それに対して先手・同歩⇒後手・7六歩。これを同銀と取ると8六飛車で銀・桂馬の両取。先手がそれを受けるには8七角と受けるしかないが、それには後手から8八歩がある。

 

よって先手は8八銀と引き、8六飛車⇒8七歩に対して後手が8五飛車!本棋戦の稲葉八段は中段に飛車を引いてうまく使うイメージがある。
▲2四歩△同 歩
▲5五角△4四歩
▲同 銀△3四銀

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先手の4四銀に対して、後手は同銀と応じてしまってはいけない。3四の歩が残ったまま4四に角を据えられると後手は面白くない。
▲3三歩△2二金
▲2四飛△2三銀
▲2六飛△6四銀
▲同 角△同 歩
▲4三銀打

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後手が6四銀と先手の角に当てたところ、先手は角を切り、4三に銀を打っていった。角と銀では攻める場合によっては銀の方がいいことがある。豊島八段は銀の方が攻めに使えると判断したか?ちなみにこの手は3二歩成りも狙っている。

△4二歩
▲5二銀成△同 玉
▲5六飛△6二銀
▲7二金△5四歩

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後手の受けの手・6二銀に対して先手は7二金と働きかけた局面。ここで後手・稲葉八段の受けの妙手・5四歩!これを同飛車と取れば6三玉で飛車-金の両取りとなってしまう。駒を投入せずに歩を突いて受けるという何とも柔軟な一手だ。この手はさすがの豊島八段も考えていなかったのか、考慮時間を使って考えている。
▲6二金△同 玉
▲7九玉

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先手・5四飛車には6三金で飛車が成れない。その後5一銀と打っても6一玉!いずれ9五角の王手-銀取りを狙われるため、それを予め受けた格好だ。豊島八段も攻めながら自玉をよく見ている。

△8六歩
▲同 歩△7五飛
▲7八歩△6三金
▲6五歩△同 飛
▲6八金寄△3三金

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遊んでいる金を攻めの要である4四の銀へ当てたところ。これで持ち駒も増やせる。それにしても盤面を広く見ており感心させられる。
▲同銀成△同 桂
▲4六飛△4三銀
▲6六銀△8七歩

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6五の飛車はもう逃げない。ここが攻めどころ。この8七歩は厳しい手だ。
▲6五銀△8八歩成
▲同 玉△6五歩
▲7七歩△6四角
▲7六飛△1九角成

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ここで1九角成で馬を作りつつ、香車を取った。先手からの7二飛車などの手は怖くないのか?後手は5三玉と逃げれば問題ないと考えているようだ。
▲4一飛△7四香
▲同 飛△同 金
▲4二飛成△5二銀打
▲5三金△7三玉
▲7六香△8七歩
▲同 玉△8五歩

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この手が良い手なんですね~。同歩には8六銀!があります。取れば8八飛車で後手勝勢。
▲9八玉

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ということで9八玉です。8六歩には8八歩を用意しているんですね。豊島八段も簡単にはやられないところがさすがです。

△8六歩
▲8八歩△7五歩
▲4三金△7六歩
▲5二金△8七銀

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先手が7六歩と香車を取ったことにより、8七銀からの19手詰みがありました。先手はこの数手前に何か受けの手がなかったかな?というところですね。しかし稲葉八段もここで即詰みに打ち取ってしまうところ、さすがです。19手ですからね。残り時間も1分とかしかなかったと思います。やっぱりさすがプロです。
▲同 歩△同歩成
▲同 玉△8五香
▲8六歩△同 香
▲7八玉△8八飛
▲6七玉△4九角
まで、122手で稲葉陽八段の勝ち 

 

ご参考までに最後の詰み手順は以下です。

▲5八銀△6六歩

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▲同 玉△5五馬
▲7六玉△5八角成

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▲同金上△7五歩
▲6七玉△6六銀

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これで詰みとなります。

 

ちなみに棋譜はYoutubeにもアップロードしていますので、動画で見たい方はそちらをご覧ください。ちょっとした解説も書いてますのでよかったら覘いてみて下さい。

激指14の六段での棋譜解析結果

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解析結果を見ると、終始互角の形勢だったようです。ただ、解説の斎藤七段としては終盤のあたりは後手・稲葉八段の方が少し指しやすい(有利)と見られていたようで、指していた両対局者も同じ考えだったように思います。豊島八段が111手目・5二金と後手の銀を取ったときに、何か受けの手があったかどうかですね。

 

さて、今回も非常に見応えがありました。来週は準決勝第2局。郷田九段vs山崎八段の一戦ですね。個人的には山崎八段にはいつも大注目しているので、とても楽しみです。

 

ということで、今回の記事はここまでです。ちなみに過去には以下のような記事も書いてますので、よろしかったら覗いてみて下さい(^_^)。最後までお読みいただきありがとうございました!